河川整備や公園整備,まちづくりなどの事業において,地域住民,NPO,行政機関,専門家等の多様な主体の協働のもとに事業を展開するための合意形成マネジメントの枠組みを構築します.合意形成マネジメントの実践活動を展開しながら,ステークホルダーのインタレスト分析方法,話し合いのファシリテーションやコミュニケーションの手法,プロセス・マネジメントの理論などについて検討しています.
市民によるボランタリーな地域活動は,企業などによる営利活動や行政機関による公共事業とは本質的に異なります.そこで,公共空間の問題に市民が自らコミットすることの理論的背景をふまえながら,市民が主体となった環境再生やまちづくりの活動を「プロジェクト」として適切にマネジメントするための理論構築を目指しています.
ある地域における人間と環境とのかかわり方としての風土性をふまえながら,地域マネジメントや社会基盤整備を展開していくための計画論を構築します.特に,神社の空間的配置や地名・伝承にこめられた空間の履歴を読み解き,その成果を環境保全,防災,教育,地域活性化などの具体的実践につなげていくための方法論について検討しています.
合意形成,市民参加,協働,まちづくり,プロジェクトマネジメント,市民プロジェクト,ガバナンス,コモンズ,都市計画,地域計画,緑地計画,公園,造園,ランドスケープ,風景,風土,景観,自然再生,環境保全,里山,河川整備,川づくり,ため池,ビオトープ,雨庭,レインガーデン,防災・減災計画
神社仏閣,名所図会,日本庭園,詩歌,伝統芸能,ことだま,落語,祭り,磐座,地域伝承,民話,地名由来,妖怪,禁忌,祟り,怪談,古墳,遺跡,雨の文化
防災教育,環境教育,技術者倫理,ESD,SDGs,図書館,公民館,博物館,野外活動
社会実験,アクションリサーチ,参与観察,オーラルヒストリー,インタビュー,GIS,テキストマイニング,数量化理論,エコクリティシズム
土木学会,日本感性工学会,日本都市計画学会,日本造園学会,社叢学会,The Association for the Study of Literature and Environment (ASLE)
高田知紀, 臼田妃那, 小塚みすず:和歌にみる雨と自己との相互浸透的構造に関する一考察,感性哲学,13,pp.37-53,2024.
高田知紀(編著),西山賢一,藪内佳順,宇野宏司,瀬谷今日子,砂川佳子(著):地域防災と時間性,ユニオンプレス,2023.
高田知紀, 臼田妃那, 小塚みすず:インスタグラムの分析を通じた雨への感性の抽出と空間デザインにおけるその活用可能性に関する一考察,日本感性工学会論文誌,21(1),pp.93-103,2021.
高田知紀, 藪内佳順, 佐藤祐太:神社空間を核とした防災コミュニティの形成プロセスに関する一考察,土木学会論文集F6(安全問題),76(2),pp.I_165-I_174,2020.
高田知紀, 近藤綾香:妖怪伝承を知的資源として活用した防災教育プログラムに関する一考察,土木学会論文集H(教育),75(1),pp.20-34.2019.
高田知紀, 桑子 敏雄:由緒および信仰的意義に着目した神社空間の自然災害リスクに関する研究―和歌山県下の398社を対象として―,実践政策学,2(2),pp.143-150,2016.
高田知紀, 豊田光世, 梅津喜美夫, 桑子敏雄:法定外公共物の自然再生に向けた「市民工事」の実践とその意義,土木学会論文集F5(土木技術者実践),70(2),pp.56-68,2014.
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兵庫県立大学大学院環境人間学研究科共生博物部門の学生として,当研究室に所属することができます.研究テーマや修了後の進路について相談しますので,進学を希望される方は必ず事前にご連絡ください.研究室は人と自然の博物館内にあります.したがって当研究室に進学した場合,基本的に学生生活の拠点は三田に置くことになります.もちろん,他のキャンパスでの講義を受講することも可能です.休日の集中講義も多く用意されていますので,社会人が働きながらでも単位を取得することが可能となっています.
当研究室では,博士論文が,学術図書として出版できるテーマと内容であるかどうかをひとつの基準とします.学位取得はかなりハードな作業ですが,チャレンジしたいとお考えの方は一度ご相談ください.
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