いいまち,豊かな風景とはどのようなものでしょうか?有名な都市計画家がデザインしたまちはそれだけで価値を持ちうるでしょうか?また,希少な生物がいるわけでもない何の変哲もない川やため池は,はたして価値のない空間でしょうか?決してそんなことはありません.大切なのは,そこに暮らす人びとが,どのようにその空間に関わっているかということです. 髙田研究室では,「何をつくるか」ということのみならず,「どのようにつくるか」というプロセスについて深く探求を行います.特に,多様な人びとが話し合いながら地域をつくっていくための「合意形成」は重要なキーワードです.また,「地域」や「風景」の問題を,空間・時間・人間の交差領域の問題として捉えます.したがって考察の対象となるのは,物理的環境だけでなく,神話や伝承,絵画や詩歌などの芸術的表象、さらに人間の行為の基底にある思想や倫理など多岐にわたります. 研究を進めるうえでの唯一で絶対的な地盤は,「現場から問題を考える」ことです.現実の地域の問題は,学問領域のような境界を有していません.きわめて複雑で,矛盾を含んだものでもあります.そこで,実際に地域での実践活動を展開し,その複雑性のなかに身を置きながら課題解決に取り組み,そのうえで,理論や方法論を構築していきます. 理論先行ではなく,現実の具体的な問題にアプローチしたいと考えている方は遠慮なくご相談ください.現役の大学生だけでなく,小中高校生,さらに実際に社会で働きながら現場で悪戦苦闘している方々も歓迎します.まちづくり,防災,環境保全などのジャンルは問いません.世代や立場,所属,地域などを超えて,ありとあらゆる人の実践と探求のお手伝いをしたいと考えています.